《MUMEI》

「……」


「あ、ありがと…う」

ぎこちなく俺から離れた高原はもう、可哀相な位真っ赤で、震えていて…。


なんか。
なんか。


俺の事めちゃめちゃ高原は好きなんだなって、めちゃめちゃ伝わってきて。

んで、俺も同じくめちゃめちゃ好きだから…。

ずっとずっと前からそんな気持ちだったから。


ずっとずっと抱きしめてもらうのって憧れていた事だったから。



何度も何度も想像して、自分自身を抱きしめていたから…



「「……………」」








今度は俺から、高原の胸に飛び込んだ。






「寂しかったよぉ…」





「っ、うん!、お、俺も…っ、…、逢いたかった」





いっぱいいっぱい高原の温もりが欲しい…。




「もっと強くっ!」

強く、きつくなきゃ、いつも俺が想い描いていたものとは違うから…。








「苦しくない?」








「これ…、この位がいい…」








立っていられなくて崩れ落ちて。




いっぱいいっぱい抱きしめあった後、やっと言いたかった事が自然に言葉になった。

高原は毎日なにをしていたのかとか、どんな些細な事でさえ知る事が出来た嬉しさはきっと高原も同じ気持ちだったって分かれたから。
だから俺はここでの事をたくさん話した。
同じ事の繰り返しの毎日の話なのにやっぱり高原は嬉しそうに俺の話を聞いてくれた。








俺は高原を好きになってよかった。





高原もきっと、そう思ってくれたよね?




End

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫