《MUMEI》

「今のまま『奴等』と戦えばどうなるか……理解できるね? いいかケータくん。イメージだ。自分の中には精神エネルギーがあり、それを肉体の外に出すイメージが大切になる。
まずはその基本を身に付けよう。それさえできれば、後は自然とボク達ヴェイガー≠フ姿を見たり、触れたりできるようになる」

「はい。やってみます」


目を閉じ、自身に存在する精神エネルギーをイメージする。


……うん。できるワケない。

「ジュードさん。どんな感じでイメージすればいいんですか? よく分かりません」

「ん、精神エネルギーなんて言うと漠然《ばくぜん》としてるからね。それなら色や形で想像してみるといいよ。どんなモノでもいいんだ。力を抜いてリラックスした状態を心掛けてみようか」

「はい」

色や形。

そうだな、色は黒がいいな。強そうな印象がある。

形は……形か、何がいいかなぁ。

燃えさかる焔のような感じがいいかもしれない。

『黒い焔』。これをイメージしていくか!


何度も何度もイメージを繰り返す。

結果、形の無いモノを掴《つか》めそうな感覚が起こり始める。

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