《MUMEI》
大王登場
勝手に電車に乗せられてから、どれくらい経っただろう。
いつのまにか、眠ってしまい、外はいつのまにか暗くなっていた。

「やっとお目覚めですか」

あの男が、笑みを浮かべながら言った。

「そうよ」

私は男を睨んだ。
そんな私の目を見て、男の顔に、より一層の笑みが浮かんだ。

「そんなに、怪訝な顔なんてしないで下さい」

男は冗談をいうように笑っている。

「それより、早く閻魔大王とかいう人を出しなさいよ」

「ははは、焦りますね。もうすぐ、会えますよ」

「もうすぐ?」

「はい、もうすぐです」

そう言ってるうちに、トンネルに入った。
トンネルのはずなのに、なぜか明るい。

「わっ、まぶしい!」

一瞬、光が眩しさをました。

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