《MUMEI》

「兄ちゃん、おかえり!!」

弟の奏多が駆け寄ってくる。

「ただいま!!今日の晩ご飯は奏多の好きなオムライスだぞ」

「やったー!!」

俺は台所に立ち慣れた手つきでオムライスを作り始める。

「僕、お手伝いする」

そう言いながら冷凍庫からミックスベジタブルを出す奏多。
フライパンの中に入れてというと奏多は輪ゴムを外して大量に入れる。

「奏多、入れ過ぎだから」

俺はクスッと笑いながら言った。
ごめんねって言いながら奏多も笑う。
オムライスが出来上がると奏多がお茶を用意して食卓に座っていた。

「「いただきます」」

声を揃えて食事前の挨拶を済まし、オムライスを食べ始める。
オムライスを食べながら奏多が、「僕、兄ちゃんの作るオムライス大好き」と言ってくれた。
そんなことを言われて素直に嬉しいと思う俺。
美味しそうに食べる奏多を見ながら微笑む。

「兄ちゃん、明日から学校だね!」

「明日は早く帰ってくるからな」

なんて、他愛のない話をする。

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