《MUMEI》

フゥと一息吐き、頭を休めることにした。

思った以上に精神的な疲労が溜まり、休憩を挟まないと続けられそうにない。

それに、焔ってイメージだけじゃ何か足りない気がする。

「どうだい? ケータくん。今日はまだ始まったばかりだ。焦らなくていいんだよ?」

「大丈夫です、ジュードさん。なんとなくですけど、イメージが固まりつつありますから」

「ん。わかった」

ヴェイグ≠ナ誕生した人達が使用する、精神エネルギーが生み出す力『ソウル』。

ここ二日の出来事でそれを体験、認識してきた。

しかしプレイン≠ノ生まれた人達でも、訓練次第ではその力を使うことができると聞いた。

表と裏。

多少差はあっても同じ人間。ならオレにだってできる可能性はあるはず。

いや、オレならできる!

『黒い焔』を『鎖』に見立て、『自身を取り巻く』よう変更する。


練り直したイメージを以《も》って、更に時間をかけ、繰り返し繰り返し練習を積み重ねる。


「――っ!?」

自分の中で何かが変わった。

そんな感覚に思わず胸が高鳴り、逸《はや》る気持ちを抑えつつゆっくりと目を開ける。

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