《MUMEI》
蝶のストラップ
中を開けてのぞいてみた。

「ストラップ……」

「俺、壊しちゃったから」

「そんなっ、気にしなくてもよかったのに!」

こんなことを言っていると予鈴が鳴ってしまった。

侑が歩き出しながら、芹奈を振り返った。

「とにかくこの間はごめん。それ受け取って」

「あ……」

ありがとうと言う言葉は、早足でいってしまった侑に

ちゃんと届いただろうか。


律儀な人だなー……


芹奈はもらったストラップを目の前にかざした。

それは、小さな蝶のストラップだった。

とってもきれいで、すごく女の子っぽい品物だ。

こんな華奢なのはつけたことはなかった。

けど、嫌じゃなかった…

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