《MUMEI》
生きたい…
もう何度手を施しても無駄なのに、まだ手術するわけ。
「無駄なのにな…」
もう手の施しようがないんでしょう。ならこのまま二ヵ月過ごした方がいい。
「では…」
元気のない痩せた私を持ち上げる。
「いいよ…手術しても無駄なんですから…」
ヘルパーはぼすっとベッドに体を落とした。
「でも…いいの…」
医者は大きな溜め息をつき
「だいたい君は今どんな立場かわかっているのか!毎日君のために睡眠時間を裂いて治療法を研究しているのだゾ!延命治療もな、」
「いいんです、このまま死んだ方がましですから…」
手術は拒否し、そのまま朝を迎えた。
「んあ…」
昨日の一件から面会が出来るようになった。
でも五十嵐君は医者から面会断絶って伝えてもらっているからここ一週間は来ないか。
「もういいの…」

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