《MUMEI》
説得
「おい…」
病室にて。
「何…」
そこには痩せこけて、言葉が出ない真田がいた
「お前、手術断ったんだろ!何してんだ受けろよ…」
そして真田は、ペンを握り
無駄だからと書いた
「おい、受けろ…最後の言葉だ受けなかったら
面会に来ないぞ…」
「いやだ」
いかにもやせこけた手で書いているから字は、
ミミズみたいな文字だ。
「おいお前の担当医師は…」
「畑先生」
「畑だな」
俺は一階の治療棟に降りて、畑を呼んだ
「おい」
「なんだね…」
「真田 瑞希の承認だが、手術を受けさせてくれ」
「明日強制的にする予定だけど…」
「そうですか…」
「それにずっと前から気になっているんだが…
瑞希さんのご両親は…」
「すみません、知らないです。」
「ほう何度手術や検査の手紙を渡しているんだが返信がなくてな」
「返信がない…」
「ああ、彼女の両親ですか。それなら娘さんの難病をいくに逃亡したとか蒸発したとか自殺したとか噂がたってますね…」
「そうですか…」
自殺、逃亡、蒸発。どれも最悪な事ばかりだな。
「さようなら…」
俺は病棟を去り、患者病棟に行く
「おい、真田起きろ…」
「んあ」
弱々しい声が聞こえる。
「明日、手術するらしい」
「え、そんな…」
少し困った顔をする
「大丈夫だ、根本的な治療法だからな…」
真田はうつむき、何も答えなかった
(この手術でがんも胃破壊も治るなら…)

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