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《MUMEI》 うっすらとだが、確かに黒い……これは、焔というより…………瘴気《しょうき》？ と表現すればいいのだろうか、それが足元から全身を覆《おお》うように発散している。 意図したモノとは幾分《いくぶん》違うが、気にすることでもないだろう。 ジュードさんに目をやると、彼は何も言わず驚愕《きょうがく》しているように見える。 続いてキャルに目を向けると彼女も同じような反応だ。 「これは……できてるってことで……いいんですよね？ ジュードさん」 「あ……？ ああ、それが『ソウル』だよ。でも……正直驚いたな。理屈はわかっていても、まさかこんな短時間で引き出すことができるなんてね」 「ジュードさんの教え方が上手《うま》いからですよ。キャルがお願いするワケですね」 「ハハッ！ 煽《おだ》てても何も出ないよ？ よし、それじゃあその力を瞬時に出せるように練習しててくれ。ボクは今後についてキャルと相談してくるよ」 「はい！」 嬉しさのあまり飛び跳ねたい衝動に駆られるが、グッと堪《こら》え、二人が話している間、力を瞬時に引き出せるよう練習することにした。 どれぐらい時間が経過しただろうか。 いい感じで力を引き出せるようになってきたとは思うのだが、自分では正確に判断できない。 ジュードさんに訊《き》いてみるか。 「ジュー……あれっ？」 前へ |次へ |
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