《MUMEI》
――告白
食事も兼ねた打ち合わせにも良く使うカフェ。
俺達は慣れた一番奥の席に着く。
テーブル事に仕切られていて気兼がなく、俺はここが気にいっている。
二人で本日のオススメを頼み、アイスコーヒーを飲み始めた。
――隆志は何故かどうって事ない話しかしてこない。
こっちから葵ちゃんの話を聞き出すのも何か悪いし…。
ドラマの撮影現場の話やら、美味しかったラーメン屋の話とか。
隆志は話が上手いから食事が終わってもずっとそんな話ばっかりしているから、俺はいつしか葵ちゃんの事なんてすっかり頭から抜けていた。
▽
「そろそろ出ようか?」
デザートのアイスも食べ終え俺から切り出す。
――もう10時を回ってしまった。
楽しいけど明日もお互い仕事がある。
すると今まで笑っていた隆志は、突然真剣な表情になり俺の右手を両手でギュッと握りしめてきた…。
「俺、裕斗が…、裕斗が好き…、俺と…、俺と付き合って……下さい…」
・
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫