《MUMEI》 呪理奈はタバコの煙を吐きながら眉をひそめた。 呪「このレース、なんか臭わんけぇ?」 おそらく勝負師としての嗅覚が、このレースに潜む危険な香りを察知したのだろう…。 霊奈は呪理奈を見上げた。 霊「おみゃ、買わんの?」 呪「アタシはパスだぎゃ。 …こん時期の3歳牝馬なんざ、何しでかすか分からんだでょ。」 霊「フンッ…。」 霊奈は、そんな呪理奈の弱気を鼻で笑った。 霊「たぁーけ、気の小っさいことゆーとるのぅ? …臭いレースは金脈だがや。 …ビビっとったら何も始まらんだでょ。」 霊奈のイヤミな言葉に呪理奈の目つきが険しくなった。 呪「ほんな勝手にせえゃ…。」 呪理奈は呆れた眼差しをW松居の相方に返した。 前へ |次へ |
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