《MUMEI》 やがて霊奈は、買い足した馬券を手に、呪理奈の元に帰ってきた。 霊「9枠からの全頭流し買うてきたわぁ。」 呪理奈は霊奈が買い足した馬券と、競馬新聞の出走表を照らし合わせた。 呪「バンザイボーナス?なんやその馬?」 呪理奈は、パドックを周回する馬たちを見渡し、9の馬番を探した。 呪「あー、あのイレこんどる黒鹿毛かぁ。 …おみゃーも懲りんやっちゃなー、そんな人気ウス軸にしてどーすんだぎゃ?」 霊「父オーキードーキーは生粋のダート血統やし、母パレオエメラルドはマイルの特別レースなんかを2勝しとる馬だぎゃ。」 霊奈が得意気にウンチクを語った。 呪「でも新馬戦勝ってからは着外ばっかやん。 …気性難とちがう?何しでかすかワカランわぁ…。」 霊「ワカランから買うとくんだぎゃ。 …休み明け2戦目やし、ひょっとしたら来るかもワカランだぎゃ。」 前へ |次へ |
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