《MUMEI》

「なんだよキャル。変なとこあったか?」

「別に……」

なんだ? オレが力を引き出してから、様子がおかしくなった気がするなぁ。

「あの、ジュードさん。オレ、変ですか? 何だかキャルの様子がおかしいというか……」

「ん? キミは何も変じゃないよ。キャルはただ、キミがあまりに早く力を引き出したことでビックリしてるだけだよ」

「そう……ですか」

「少し休憩したら、次に進もうか。ケータくん」

「はい。お願いします」

キャルが「汗まみれ、泥まみれ、血まみれ」なんて言ってたからどうなることかと思ってたけど、なんとかうまくいってるみた――

「ケータ」

「――うっ!」

突然話しかけられ驚いてしまった。……ビックリさせんなコノヤロー!

「なんか用か?」

少々言葉が刺々《とげとげ》しくなってしまう。

「アンタ、どこか具合悪くない? 頭とか」

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