《MUMEI》 Vサイン羽の間をくりぬいた、ブラックとピンクの小さな蝶。 ああ――つけてくれてるんだ。 電車で寝過ごしそうになってあわてるあまり 芹奈のストラップを踏みつぶしてしまったのは数日前だ。 弁償しようにも、もうそのストラップは売ってなくて 困って代わりのストラップを買いに行ったのが二日前 それを彼女にわたしたのは昨日。 「もしもし?」前を歩く芹奈が携帯電話を耳に当てた。 誰かから電話がかかってきたらしい。 その時、侑の脇をすりぬけていった男子生徒がいた。 長身に、明るい茶色の髪。 こちらも携帯電話を耳に当てていて、芹奈に駆け寄っていく。 肩を叩かれた芹奈はビックリした顏で振り向いて 男子生徒は「おはよー」と笑いながら芹奈にVサインを出した… 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |