《MUMEI》

その言葉に驚いた顔が見る見る赤に染まるや、

「冗談じゃないわ! そんな話……聞いてない!」

怒りを露《あらわ》にするキャル。

ジュードさんは戦闘経験を積ませる目的でロッドさんとキアンちゃんを呼んだ。

しかしキャルは何も聞かされていなかったらしく、戦闘訓練には反対のようだ。

これは一体どういうことなのか、二人に直接訊いてみるしか――

「J! どういうつもりなの!? 説明しなさい!」

キャルがジュードさんに詰め寄り、物凄い剣幕でまくし立てている。

これは止めた方がよさそうだ。

「やめろ、キャル!」

後ろからキャルの肩を掴《つか》むも、すぐさま振り払われ――

「アンタは引っ込んでろ!」

一言で一蹴されそうになるが、このまま引き下がるわけにいかない。

それならばと、羽交い締め《はがいじめ》にしてジュードさんから引き剥がす。

「な、なにすんのよケータ! 放せ!」

――が、凄まじい力で振りほどかれそうになる。

「落ち着けよキャル! それじゃまともに話し合いなんかできねぇだろ!」

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