《MUMEI》 「ウウゥ〜……なんとか言えっ! Jッ!」 一際《ひときわ》大声で叫んだキャルは激しく肩で息をしている。 身体の力がいくらか抜けているところをみると、ひとまず落ち着いてくれるようだ。 「…………」 ジュードさんは俯《うつむ》き、何も答えようとしない。 このままでは再びキャルが暴れだすのも時間の問題。 「ジュードさん。オレはいいとして、このままじゃキャルは絶対納得しないと思います。何か理由があるなら、説明してもらえますか? お願いします」 そこにロッドさんとキアンちゃんも加わり、 「ジュードさん。戦闘訓練をするにしろ、このままでは支障がでますし、カルグリーナさんの了承《りょうしょう》を得たと聞いていたのでワタシ達もここに来たわけですが……、どうやら話が違うようですね。 これではいくらジュードさんの頼みでも聞くわけにはいきません」 「右に同じくだよ」 俯いたままの彼はしかし、何かを考えているようだ。 「わかった……。説明させて欲しい」 しばらく時間がかかるかと思われたが、みんなの説得に応じてくれることになった。 前へ |次へ |
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