《MUMEI》

ひどい乱暴を与えられた者はその暴力をその再現をその姿形色におい音表情声力意図侮辱道具どれもひとつとして同じ場所をえぐれない。人体の容積は照射仕切るのにたいした時間かからない。火傷の箇所を同じ場所で同じ形だけ焼き続けるだけだと思っている。皮膚をあきらめればいいと思っている。でも一度一度奥に浸透していく。同じ細胞はもう焼けない。ガンのようにその次の細胞を侵す。火傷は烙印の深度を下げていく。小さい体埋め尽くすのは時を要しない。死んだ人でも生きてるままでも人間を侮辱で焼くことはしない。矢印は実際はあるのに見えなくて無いと思わせてあげられる放射能のような物。でもガン化させる力は生きた細胞を侵していく威力は正常な放射も放射能に変えていく。それは矢印ではなく実線だから。彼の発した声が威力をかぶせられてしまう。それは架空じゃない現実の攻撃に代わる。矢印とは違って一度ずつ確実に次の場所を焼き切って進んでいく。乱暴は暴力は彼を道具にして使用して猛威を吐く。皮膚をえぐられた体の中を直接汚れた手で焼き殺しながら進む。彼女の体の内側はその侵入する手で侮辱され削られ続ける。正常な残りの場所を全て奪い尽くしたら灰にもならない。存在したこともなくなる。暴力は何度重ねられても慣れていけたりはしないよ。それは正常を全て奪い尽くすまで生きた場所を残さないで殺し続けるもの。乱暴は一度ずつ体の一部を切り取って奪い去り続ける。全部失くす前に死ねなければ永遠に消え去れなくなる。どうかやめて。その手に自由にさせるのを。道具にしないで。力に変えてしまわないで。もう彼女さえ死ねばいいのなら。このままならそれほど時間はいらない。意図がなければ彼女はいくらでも無尽蔵だったのに。殺したくても全くキズも帯びないほど全部受けてあげられたのに。彼女は一瞬人に戻りその瞬間手をねじ込まれた。人間は侮辱で焼かれたら細胞が焦げ落ちる。その手は出て行かない。彼女が出て行かせられないのじゃない。それが人を侵すという事。人の中には侵略などしてはならない。なぜなら汚して壊してそれは拡がっても戻らないから。割れたガラスは破片ばかり積み上げられていく。もう彼女が人に戻ってしまったらその破壊は止められなくなる。人が全身侮辱され尽くしたら身体は死ねても人として死ねない。人を同時に動かして止めておく事はさすがに不可能。もちろん彼女はもう助からないにしてもどちらかの死を与えなければ千年死ねない門番になる。彼女はあれから彼に対して止めたままでもこの世には下りてしまっている。彼に対して止めていてももう焼け跡は進んで行ってしまう。もちろん焼け落ちたらそこで人としては終わる。もし身体を他人の自由に奪われるとしても精神が焼け落ちながらこの世で彼に対しているのはどんなわずかな時間も耐え難い。それなら一時に刺し殺されればいい。彼が彼でありながら彼を離れた場所で別のものに変えられてしまうのをどうする手段もない。でもそれが現実に為っているのがこの地上の世界。この世であとどれくらいであっても確かに進み架かり及ぼす。彼自身は方法がわからないから今日もそのままでいられる。後から置き変えられる事に対するのは能力がいるから。彼は彼でいるのに今日困る事はない。0700

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫