《MUMEI》

「ああ。俺達がどうあがこうと、もう帰趨(きすう)は結っしている。この戦争は天津神側が勝利する。国津神側に付いた俺達は・・・・とんだ貧乏くじを引いたな」
「・・・・」
「まあ、どちらが勝つにせよ神の下で人類は細々と生きのびていくさ・・・・」
人類はどちらの側の神が勝利しても滅びの道を歩まぬよう、陣営を分けて戦いに参加した。
それは弱者が生き残るための懸命な選択だったと言えよう。
「白虎。それにしても、この戦争の原因は一体何だったの?」
「そんな事は俺にもわからん。神が何を考えてるのか、なんて事はな。
人間など所詮は巨大な運命の嵐に弄ばれる、小船みたいなものに過ぎないのかもな」

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