《MUMEI》

「……は?」

「理解しなくていいから聞きなさい。ハッキリ言ってアンタの成長スピードは異常よ。とてもプレイナー≠ニは思えないほどのね」

キャルの口ぶりはオレがヴェイガー≠セと言ってるように聞こえる。

「建前上『ソウル』を身に付けてもらうなんて言ったけど、プレイナー≠ェ訓練したとして、何年かかるか分からない上に一生使えないこともある力……イシュの受け売りだけどね。だったらアンタのルーツが原因と考えるのが妥当《だとう》」

「何が言いたいんだよ」

「アンタの祖先にヴェイガー≠ェいた可能性があるって言ってんのよ。意味わかる?」

祖先に……ヴェイガー=H

つまり、オレが『ソウル』を修得できたのは、自身の力ではなく、恩恵によるモノ?

そういうことか?

「極端な話、アンタの親がそうなのかもしれない」

「――んなワケねぇだろっ! オレの両親はどっちも……どっから見てもプレイナー≠セ。適当なこと言うな!」

怒鳴らずにはいられない……こんな…………。

怒りに震える視線を彼女から足元の赤茶けた地面に移し、悔しさに歯がみしてしまう。

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