《MUMEI》

白虎と朱雀が我に帰ったように戦士の顔に戻って自分のシートに着くと、液晶画面に指を走らせる。空を映すモニターが切り替わると、攻撃者の源へ接近拡大していく。
空がまたキラキラと光り、飛来してくるのは無数の矢であった。再びシールド越しに伝う衝撃は、
現代の戦闘機から発射される普通のミサイル並の威力と同じレベルを示していた。
「何?!」
「何だ?!」
天狗丸とダキニが同時に叫んだ。
ヴィマーナを空中で取り囲み、次々に弓に矢をつがえ撃ち込んで来る者達は、背中に小さな翼を生やしたあどけない幼児の姿をした天使達。
その顔には悪意のカケラも無く、眼を明るく輝かせ無邪気な笑い声さえ上げながら、ミサイルの
威力を持った矢を放ち続ける。
「朱雀!転移飛行だ!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫