《MUMEI》
なのに…強引だな、オイ!
何を言うかと思えば…


ハハッ!チュウだって。






………笑えねぇよ。



「いや、それはちょっと…」
「嫌なのか?」


当たり前だ!!


「だって、俺まだお前と付き合うなんて言ってないしさ…。」

「いいじゃん、難い事言うなって。」


そういう問題じゃねぇ!



「海外なら社交辞令じゃん?キスなんて。」

「ここ、日本だし…」



それにお前、男だし。


男にキスなんて…




あぁ〜っ!!無理だ!
これだけは一歩足りとも引く訳にはいくまい!!



「ユキ!ごめん!!さすがにキスは…っん!!!」







嗚呼、嘘だと言ってくれ…

夢なら覚めてくれ…




「ケンちゃん、隙ありすぎ。ごちそうさまでした。」




家に入って行くユキの背中が楽しそうだ…




俺はそっと唇を撫でて、


ベロチューじゃなかった事だけでも幸いじゃないか!


って自分に言い聞かせた。

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