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《MUMEI》 ジュードさんの声に何とか冷静さを取り戻し、『ソウル』を発動させることができた。 これを維持しつつ、まずはキアンちゃんの攻撃に慣れる必要がある。 しばらく防御に専念……特に頭部はしっかり守らないといけない。 右足を斜め後ろへ下げ、重心を落とす。 「続きを頼むよ。キアンちゃん」 左右の拳《こぶし》を目の高さに脇を締《し》め、斜《はす》に構える。 「それがケータちんの『ソウル』かぁ。それじゃあ、いくよー！」 さっきは気付くことすらできなかったキアンちゃんの動きが見える。 それでも――速い！ 離れた距離から一気に間合いを詰めてくるや左、そして右の突きを上体を振ってかわす。 「ぐうっ！」 ――いきなり視界がブレて左の脇腹に激痛が走る。 どうやら右の蹴りらしく、彼女は打撃を加えたままの姿勢で止まっている。 「ニヒヒッ。どうだ、ケータちん」 「い、痛すぎる」 防御に集中しているにも拘《かかわ》らず反応しきれない。 それに、あの感じからしてかなり手加減しているのが窺《うかが》える。 「もう一回だ」 「オッケェ〜！」 前へ |次へ |
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