《MUMEI》
3.天照大神アポロン
白虎と朱雀の意志に感応した床下の伝導システムが、その精神パルスの流れを、機内の中心を円柱のように貫く生命スープに満たされた強化ガラスの水槽の内部に、電気的な信号に変えて送り込む。
生命スープとはアトランティスの科学者達によって、地球が原初の生命を生み出した太古の状態に近く調整された海水だ。
水槽内部の水晶が、ふたりの精神パルスを蓄(たくわ)え回転を始めると、生命スープがらせん状の渦を巻き、円柱の上部の宇宙エネルギーを蓄えた太陽親和水晶に伝わり、連動して回転を呼び起こす。
二つの水晶の回転は互いに影響しあってさらなる回転を生み出し、そこにエネルギーが生まれる。
その水晶エンジンにより生み出されたエネルギーは、円柱を中心に機内全体へと張り巡らされた回路を通じて、超古代の飛行要塞ヴィマーナの各部の機能を起動させていく。
その時間わずか0、0000000000000000000001秒。
ヴィマーナが光速で転移飛行を続けている間、機内では特殊な力場が発生し、搭乗員を加速による重力の影響から守っていた。そのヴィマーナから雷電のような光を発っしながら念波がほとばしり、雷撃に捕われた天使達は次々に爆裂して、内臓をまき散らす肉塊に変えられていく。仲間の無残な死を見て、無邪気な天使達の顔が 悪鬼のような形相へと変わっていった。

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