《MUMEI》

天使達は
「シャーーッ!!」と小さな牙を剥(む)き突然身を翻(ひるがえ)すと、群れ全体がまるで竜巻にでも巻き込まれたように、空中で 渦を巻き始める。
実際に周囲の空間には竜巻なみのエネルギーが発生しているようだ。
風の煽(あお)りを受けてヴィマーナ全体に振動が走っている。



ゴゥオオオーーーッ!!



渦はやがて球状の塊(かたまり)へと変化していき、ひとつの姿を形成していく。天使の竜巻が
変化した姿は、光り輝くばかりに美しい中性的な若者の姿だった。
静かな微笑を浮かべて
ヴィマーナの前方に滞空している。いや正確には光速で転移しているヴィマーナに合わせて、移動し続けていると言うべきか?
「天照大神アポロン・・・・」
白虎が額に汗を浮かべ呻く。
「愚かな・・・・」
アポロンの精神波が直接白虎と朱雀の脳内にこだました。
自(みずか)らを太陽の化身と名乗る神一族の若者は、美しいがどこか
傲慢(ごうまん)そうな笑みを浮かべると、さらに自ら豪語(ごうご)するごとく、第二の太陽を思わせるような直視できないほどまぶしい超高熱の光球に変身して、ヴィマーナへ襲いかかった。
機体全体を凄まじい衝撃が包む。
「駄目だわ白虎!シールドが持たないーっ!!」
次の瞬間ヴィマーナの機体が空中で裂けた!!

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