《MUMEI》

「ケータちん」

「ん?」

「腕とか脚……痛くないの?」

「いや、スゴく痛いよ。もっと手加減しろ」

「これ以上加減したら訓練にならないよぉ〜」

「……だよね」


それから何度も挑んでいるうちに、あることに気付く。

『ソウル』を発動している間、身体能力は多少強化されているようだが、それも一定のモノ。

キアンちゃんの攻めが激しさを増す中、それが顕著《けんちょ》に現れる。

彼女の繰り出す技に反応することができないのだ。

打撲や擦《す》り傷に加え、衣服は自分の血と汗で汚れ、地面に転がっているこの状況。

キャルの言葉を否応《いやおう》なく思い出させてくれる。


「ケータくん」

ジュードさんがオレを助け起こし、気遣《きづか》わしそうに顔を覗《のぞ》き込んできた。

「少し、休憩しようか。頑張ることと無理をすることでは意味が違うからね。キアンもそれでいいかな?」

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