《MUMEI》 「ケータちん」 「ん?」 「腕とか脚……痛くないの?」 「いや、スゴく痛いよ。もっと手加減しろ」 「これ以上加減したら訓練にならないよぉ〜」 「……だよね」 それから何度も挑んでいるうちに、あることに気付く。 『ソウル』を発動している間、身体能力は多少強化されているようだが、それも一定のモノ。 キアンちゃんの攻めが激しさを増す中、それが顕著《けんちょ》に現れる。 彼女の繰り出す技に反応することができないのだ。 打撲や擦《す》り傷に加え、衣服は自分の血と汗で汚れ、地面に転がっているこの状況。 キャルの言葉を否応《いやおう》なく思い出させてくれる。 「ケータくん」 ジュードさんがオレを助け起こし、気遣《きづか》わしそうに顔を覗《のぞ》き込んできた。 「少し、休憩しようか。頑張ることと無理をすることでは意味が違うからね。キアンもそれでいいかな?」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |