《MUMEI》
私と佳代は部屋に戻って来ていた。
「私にも話してくれてありがとね」
「えっ!ありがとうを言うのは私の方だよ。聞いてくれてありがとう」
「協力できることがあったらなんでも言ってね。詐欺師なんかやっつけちゃうから」
佳代は笑顔で言ってくれた。
こんなにも佳代が頼もしいと思ったことはなかった。
「本当にありがとう。元気でてきたよ」
「良かった。大丈夫だよ。早紀ちゃんはこれからも幸せだよ」
−−−私は幸せを売った日に、今まで気がつかなかった、佳代のやさしさや頼もしさを知ることが出来た。
勿論、いつものように靖子も相談に乗ってくれる。
……だから何も怖くない。
というより、悪に立ち向かうヒロインのように感じて少しわくわくした。
−−−−−−−−
あれ、私はずっと前に感情を捨てたんじゃなかったっけ?
何も感じないロボットになるって決めたのに。
まぁいいや。今日は特別な日なんだから。
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