《MUMEI》

「いつまで現実から逃げる気だ?」

彼の顔が苛立ちに歪み、全身から黒い瘴気《しょうき》が渦を巻いて放たれた。

「これは……」

「思い出せ。お前がここに来る前、どこで何をやっていたのか」

この黒く禍々《まがまが》しい瘴気の渦…………、これは……『ソウル』。

オレの『ソウル』だ。

そしてヴェイガー=c…訓練のため、ジュードさん達ヴェイガー≠ノ手伝ってもらってたんだ。

そこでオレは――

「思い出せたか? 俺《おれ》はお前を通して見ていた。物心ついた時からずっとな」

「どういう意味だよ」

ここは夢の中か? 休憩をもらって、そのまま寝てしまったらしいな。

「全部知ってるってことだ。例えば中学生の時、あの頃は酷《ひど》かったな。みんなして『俺達』と弟を比べるんだから」

夢の中とはいえ、過去のことを語られるのは気分が悪い。

ましてや自分と同じ姿の奴なんかに……!

「やめろ」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫