《MUMEI》
弱虫パシリ
「んじゃてめぇ、俺はメロンパンっただろぉ!!」
「なんでチョココロネなんだよ、俺はカレーパンだっつーの!」
「まじ役たたねぇな、お前。なに突っ立ってんだよ、買いなおしてこい!!」
「すいませんっ、買ってきますっ!」





あぁ、なんで俺、こんなことやってんだろ
なんで俺って、こうなんだろ







俺よりも20pは高い身長の3年生が歩く、渡り廊下を
あいつらに言われたメロンパンにカレーパンと、コーラに卵サンドイッチを両手に抱えて
今日もそんなことを考える







あいつらが待っている、3‐2の扉を『がらっ』と開けた

「買って、きました」
「おっせーんだよ!のろまっ」

鬼のような形相をした、リーダーの柴崎(あれ、柴田だっけ)が、俺が持ってたメロンパンを奪い取る
その後ろについていた、とりまきも、頼んだ品を奪い取る
柴崎は、この学校一番の悪党だ。
みんな逆らえなくて、いまじゃこの通り。
柴崎がマジになれば、ライオンにだって勝てるだろう。


今なら、バレずに逃げれるかもしれない。
俺はゆっくり、ゆっくり教室を出ようと後ろにあしを忍ばせる。


「あ、そーだお前さぁ」



「ちょっと来いよ。楽しいことがあんだよ」
柴崎は、とりまきに不敵な笑みをみせると、教室を出る。
とりまきは、俺が逃げないように髪の毛をつかむ。



俺はされるがままに裏庭につれてかれる。






俺は心の中でさけんだ

・・・こえーーよーーー!
たすけてえええーーー

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