《MUMEI》

肩までかかる黒々した長髪。彫りの深い白い顔はアポロンなどとも違う
男性的な美形と言って良い。だが普通の人間と異なる一点が、その顔に異様な印象をもたらしている。眼球に白眼の部分が全く無い。漆黒に統一された両目が闇の輝きを宿し、残忍そうに唇の端に皮肉な笑いを刻んで、白虎を見ている。
アトランティスの戦士に戦場でのためらいは無い。
本能のレベルで危険を感じて、白虎は「インドラの火矢」から矢継ぎ早にプラズマ火球を放つ。
それは黒い鎧の来訪者をあっと言う間も無く、爆裂させるはずであった。
火球は全て弾かれた。
漆黒の眼を持つ男の手に 握られた一本の剣によって・・・・。
「俺の名は羅刹(らせつ)・・・・」
白虎を見て沈鬱に言った。

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