《MUMEI》 くやしくて悲しいきもちあれほど桜子を悪しざまに言っていたのに 翌日から、彼女たちは何事もなかったように親しげに話しかけてきた。 『なんか、桜子、最近ちょっと元気なくない?』 彼女たちにそうたずねられても 『そんなことないよ』 桜子は笑って答えていたけれど くやしさと悲しさが日に日につのっていく。 何日後かの放課後。 ぎりぎりまでふくれあがった感情をこらえきれなくなって 誰もいなくなった教室の中で桜子は一人で泣いてしまった。 友達だよと言ってくれる女の子たちは、どの子もうわべだけ。 好きだと告白してくれる男子たちだって 容姿を見て「可愛いから好き」って言っている程度のこと。 うそばっかり。 みんなうそばっかり。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |