《MUMEI》
喧嘩
「はいはーい…洸介くんか…」
「こんにちは」
「何でそんなに怒ってるの?もしかしてお兄ちゃん犯したのそんなに嫌だった?」

ガンッ

「ふざけんなよ。お前何したかわかってんのか。」
「先輩にはちゃんと敬語使わなきゃねー」
「黙れ。3秒以内に黙らなかったら指折る」
………
「僕の質問に答えろ」
「なに?」
「なんで兄を犯した」
すると甲高い声で笑い
「なんだよ」
「アッハハ…いや、答えはもうわかってると思って…ハハハっ」
淡々とかれは話す
「なぁ、好きな人がさ、今まで見た事ないぐらい笑顔で違う男の名前を出したときどう思う?」
「それは、」
僕はなにも言えなかった
「すっげー悲しいんだぜ、」
途端に、彼の頬に涙が伝い
「嘘でもよかったんだ。傍に居てくれたら、それだけでよかったんだ。馬鹿みたいだよな。可笑しいよな。もう、後の祭りだけどあ〜ぁ、こうなるって…わかってたのに…」
手を離すと泣き崩れ
僕はどうしたらいいか
ただ呆然と立ち尽くした
あの後、先輩は兄を見かけるたびに
悲しい顔をして
一方、兄は見かけるたびにガンを飛ばし…


って
「気まずいんじゃぁぁぁぁぁあぁああぁあ!!」
「ぅえ!?な、なにが!?」
「なにがじゃない!!早く先輩のとこ言って謝ってもらえ!!早く!goー!」
「ぇ…」
いつも凛々しかった兄が今は酷く怯えてる
いや、むしろ
「とっとと行ってこい!!ヘタレ兄貴!」
「へ…ヘタレ???」
杏介は不満そうに走っていった

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫