《MUMEI》

たちまち白虎と朱雀を
中心としてプラズマ光球が四方八方へ吐き出される。それはプラズマの
竜巻だ。長い戦場の日々の中で二人で力を合わせあみだした必殺の技の前に、すでに何(柱)人もの神が屍をさらしている。
だが天津神一族の三強神を相手にしてはそれも分が悪いのか?
羅刹は手にした剣で身動きもせずに光球を弾き飛ばし、アスラは「うひゃひゃ」と笑いながら、宙に浮かんで身軽にひょいひょいと避ける。
カーリーにいたっては、奇妙に女体をくねらせて踊りながら、瞬間移動するように時折姿を消し、
姿を現すたびに二人のそばへと接近していた。
やがて、
「白虎!」「朱雀!」
お互いを呼ぶ戦慄に満ちた声が上がる。
背中合わせに立つ二人の間にいつの間にか、カーリーが潜り込んでいる。
「がーーっ!!」とおめきを上げ、インドラの
火矢を振り向ける白虎の眼前に、カーリーに片手を背中にねじり上げられ、苦痛の表情を浮かべる
朱雀の姿が飛び込んできた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫