《MUMEI》 触れているのは彼の手とアタシの顎だけ それなのに 彼の黒い切れ長の目は アタシの心臓を掴んでいるよう 何故だろう アタシは微動だに出来なかった 「突然失礼しました」 時間にしたら、数秒 けれど、アタシにはその数秒がひどく長い時間のように感じられた 彼は手を話すと、アタシの横をすり抜けていった 立ち尽くすアタシの手元には妖艶な笑みを浮かべる彼がくれたアタシの写真 そこに映し出されているのは笑っているのに、笑っていない 哀しい瞳をしたアタシ 前へ |次へ |
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