《MUMEI》

日曜日、公園は花見客で賑わっていた

青空の下、桜は満開
桜の木の下にレジャーシートが所狭しと広げられていた

露店も出ていて、たこ焼きや焼き鳥のいい香りが漂ってくる

日中あまり外に出る事がないアタシは太陽の眩しさにクラクラと目眩がした

「レイちゃん、遅いっ!」

待ち合わせ場所の公園の南入口

声の方向に顔を向けると百華が立っていた

シフォンのブラウスにデニムのショートパンツというラフな格好をした百華は、いつもの巻き髪ではなく、ストレートの髪を高い位置で結っていた

「いい香りがしてお腹空いちゃったよー」

百華はアタシの腕に手を絡ませて歩き出した

百華の金色の髪が日差しに当たってキラキラ

百華には夜のネオンよりも昼間の太陽の光りの方が似合うなと、ふと思った

「百華ちゃん、レイラちゃん、こっちこっち」

橋本さんの会社の社員の明石さんがアタシ達の姿を見つけて、大げさに両手を振っていた


アタシはどうなんだろう

アタシは眩しい太陽の下で上手く笑えているのだろうか

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