《MUMEI》 ―夏休み― 和輝は野球部の合宿で2週間いない。ダダをこねてた私に「毎日連絡する」って笑って言ってくれた。嬉しくて舞い上がっていた。 少し暇になったからホルンの練習しようと思い近くの川の土手で吹いてた。 「リィ?」まさか悠斗・・・。 「悠斗・・・。」 「リィが彼氏できるとか驚いたな・・・。」 「私だって普通の女の子ですー」 「ばか。」そういって私のほっぺたをつねった。 「リィの変な顔(笑)」 「小学生か、悠斗は・・・。」 「和輝とどうなの?」急に真面目な顔になった。 「今私、本当に幸せなんよ。和輝、合宿やけどちゃんと連絡くれるし。」 「そうか。」ふと残念そうな顔をする。 「何でそんな顔する?」 「何でもねぇ。」 「そっちはどうなの?愛佳と・・・」 「普通だよ。でも普通すぎて・・・。」 「そっか。」 「そいえば明日久しぶりに姉ちゃんがアメリカから帰ってくるから家こいよ。」 「ほんと?悠莉さんが?」 「おぅ。リィに会いたいって言ってたし。」 「絶対行くー。」 憧れの悠莉さんに8年振りに会える。嬉しいとしか言いようがない。今アメリカで活躍してるメークアップアーティスト。 2時間くらいホルンを吹いてから家へ戻った。 和輝から着信があった。 「もしもし、ごめん和輝。ホルン吹きに外に出てて・・・」 「そか。後10日でそっち戻れるから。」 「10日もだよー。」 何となく明日、悠斗の家に行くことは言わない方がいい気がした。 ―翌日― 私は寝坊をした。10時に悠斗の家に集合が10時に起きてしまった。 頭はくしゃくしゃ。私は開き直ってとりあえず適当にして家を出ると そこに悠斗がいた。 「リィのねぼすけ(笑)」 「仕方ないでしょ。てか何でここにいるの?」 「リィは方向音痴だから俺の家に来れる気がしなくて・・・」 「ひどい・・・。」 前の家と位置は変わっているけど雰囲気はそのまま。またあの甘い匂いがする。本当に帰ってきたんだね、悠斗。 前へ |次へ |
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