《MUMEI》

約束何て正直忘れてた。

私は約束を守るべきなのでしょうか。

―2学期―

私と和輝はお互い忙しく週に1回もデートは出来なかった。ただ毎日一緒に通学。それだけで幸せだった。

「おはよー。理香」陽奈が私の腕を引っ張り耳元でつぶやいた。

「愛佳と悠斗、別れたんやって。」

「・・・ぇ。」

悠斗に聞かないと・・・。無我夢中に廊下を走った。5組に着いた。

「悠斗!」

「リィ・・・。」寂しそうな顔をしてた。

「別れたって本当?」

「あぁ。俺が別れたかったから言った。」

「何で?」

―ずいぶん後から愛佳から聞いた話・・・−

それは7月31日。ちょうど悠莉さんの誕生会の次の日。

悠斗から連絡あった。愛佳の携帯には「今日、話したいことがある。」

絵文字もなくて真っ黒な文章。愛佳には何を意味していたのか分かっていた。それでも少し信じてみたくなった。

「いいよ。」

いつもの公園に悠斗が先に着いていた。

「ごめん。悠くん。」

「いいよ。今来たばかりだし。」

「そっか。」

「あのさ・・・「悠くんが何言っても私、別れないよ。」愛佳は先手を打ったつもりだった。

「ごめん、やっぱり俺リィが好きだ。」

「どうして?理香には和輝がいるじゃん。」

「それでもいい。リィのそばにいたい。」

愛佳は崩れるように泣いた。

「ほら、これ。」悠斗が愛佳に差し出したのはハンカチだった。

「優しくしないで。」

「それ返さなくていいから。」そう言って悠斗は帰って行った。

この話を聞いたのは1年後の夏だった。

もしこの話をもっと早くに聞いていたら未来は変わっていたのかな。

―放課後―

和輝も別れたと聞いたらしく愛佳を慰めていた。愛佳と和輝は愛佳が通っていたバレエ教室に和輝のお姉ちゃんも通っていた関係で10年前から仲がいい。

結局、今日は1人で帰ることになった。

「リィ。」後ろから聞き覚えのある声がした。

「・・・悠斗。」

「今日も疲れた・・。」

「ね、何で別れたの?」さっき聞けなかったから聞いたものの、失礼な質問してるよね。

「・・・俺が別れを切り出したのは・・・

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫