《MUMEI》 傷つき過ぎた恋愛朝、 「キャアアアアア」 「ひい!」 「死体だあ…」 三人の生徒が目にしたのは入り口のアスファルトに転がる死体。もちろん原形も留めておらず奇跡的に顔と胸は幸い綺麗だった。 「いやあ…」 「おえ…」 恐らく園芸委員の生徒たちだろう。自分たちが植えた花や野菜に水をあげる予定だったのか。 それから数時間後、死体の噂は瞬く間に亮の学年にも行き渡る。 「ねえ知ってる園芸委員の子が、死体見たらしいよ…」 「うわ…」 「しかも死体が、真紀子らしいよ…」 「まさか自殺するとは…」 「あいつならマジでしそうだったよ」 勿論各学年のフロアの廊下は誰もおらず、不気味な静かさが残る。職員室でも急がしさは全くなく、職員会議で葬儀の相談、葬儀の電話、両親への訃報の知らせ、午後からは自殺の警察からの聞き込みがあり、メディア関連の取材があり生徒は慌ただしい中午前中に下校した。 「このこは普段いじめなどには遭っていましたか」 「いいえ」 「この女子高生の印象はどんな」 「とても優しい生徒です」 ペラペラとキャスターの取材が終わり、夕方からは警察の聞き込みだ。 「薬物の類は、無し司胞解剖の結果は、頭を強く打った飛び降り自殺と考えられますね…」 「そうですか…」 「あの、あたりが暗くなっているので生徒はもう…」 「いいですよ…」 前へ |次へ |
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