《MUMEI》

ナツが望んだのはきっとこんなアタシじゃない

生きようと思ってみたものの、アタシは家の中に自分の居場所を見つけられなかった

15で家を出て

でも、中学を卒業したアタシが一人で生活していけるわけなんかなくて

結局アタシは大嫌いな自分の容姿に頼るしかなかった

「何してるの?」

フラフラと繁華街をあてもなく歩いていたアタシに声をかけてきたオジサン

『何もしてない』

アタシは無表情で答えた


グゥー

『、、、』

数日まともに食事を口にしていなかった

食欲は湧かなかったけど、お腹は正直だった

「何か食べに行こうか?」

オジサンは笑みを浮かべて言った

入ったのは全国チェーンのファミレス

好きなものを頼んでいいと言われたアタシはハンバーグのセットを頼んだ

ジュージューといい音を立てたハンバーグがアタシの前に差し出された

アタシは夢中でハンバーグを頬張った

「家出でもしてるの?」

ハンバーグを食べ終えたアタシにオジサンは聞いてきた

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