《MUMEI》 教科書ある日廊下を歩いていると 向こうから一人の女子生徒が一人、歩いてきた。 その女子生徒が誰だか桜子はすぐにわかった。 色白というよりも青白い肌に まっすぐに伸びた髪 髪の色も抜かず、黒色のまま。 制服も規則正しく着て、今時珍しいくらい きっちりしている。 名前はたしか……黒崎 美海(くろさきみう) 美海はなにやら教科書を先生に届けに行く途中なのか 山済みの教科書を持っている。 「あっ!」 美海が声をあげた。 美海は教科書をバラバラに落っことしたらしい。 それを見て私はほっておこうと思って通り過ぎようとしたとき 私の頭の中でいいことを思いついた… 前へ |次へ |
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