《MUMEI》 和輝からもらったマフラーを巻いて和輝の手を握って登校した。 和輝の手の温もりや匂い。久々に和輝を近くに感じる。 その時、昇降口の方から愛佳が手を振っているのが見えた。 ―バンッ― 和輝は私と繋いでた手を振り払った。その手で愛佳に手を振った。何にも無かったかのように和輝は「また後でな。」と言って愛佳の方に言った。 また後っていつ?もうこんなの無理だよ。 「リィ。」悠斗の声だ。もしかして今の見られてたかな・・・。 「お前は俺のそばにいれば幸せになれる。なーんてな(笑)」 「何言ってんの?」 「今のは姉ちゃんが言ってた。リィのことは和輝より俺の方が分かってるって。」 「だから?」少し強気で言ってしまった。 「俺・・・やっぱ何でもねぇ(笑)」 「は?」 「じゃーな。」 今、和輝の手を離してしまったら絶対に後悔する。でもやっぱり和輝といてもあいつのことが頭から離れないのはなぜ? でも、あいつには好きな人がいる。 それから和輝と気まずくなって時間は過ぎた。 ―2月28日― 私は和輝に正直に言うことにした。 この日は土曜で学校休みだったから直接会った。 「ごめんね、和輝。」待ちくたびれたのか少し顔が疲れていた。それとももう分かっているの?私の言いたいこと。 「いいよ。」 「あのね、和輝・・・ 「あのさ、俺からも話あって・・・。」 「和輝からいいよ。」 「俺と別れてください。」 前へ |次へ |
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