《MUMEI》
ゲーム
「ん、?」
どうやら俺は眠っていたらしい
体を起こすが全身が鉛のように重たい
今日は土曜日、だが
俺達、3年3組だけは文化祭の準備をしている
と言ってもほぼ俺ら男子が悪い
何時までたっても手伝わなかったから
もし、
もし、ちゃんと手伝っていたら
あんな事にはならなかったのかな?

2時49分
「おい!夢藤!しっかり手伝え!!」
声を荒らげて仕切る親友
橘 陽介
彼は俺の数少ない友達だ
面倒見が良く、何時も陽気。
そんな彼を俺は慕ってる
しかし、、、。
「わーってるけどよー、、俺、何でこの格好、、。」
3年3組の出し物は演劇
ルイス・キャロル作の
『不思議の国のアリス』
そして、アリス役が
「きゃー!似合ってるよ!!有子くん!!」
そう、この俺、夢藤 有子だった
なぜそんな名前か?
母いわく、、
《お母さんはね、貴方を生むのが遅かったから、貴方には30代になる前に子供が居てほしいってことで有子なの。》
「子」供が「有」るで有子らしい
こっちからしたら傍迷惑である
こんな事を一人思いながらみんなの手伝いをしているといつの間にか3時になっていて
規則正しく耳障りなチャイムが学校全体に響き渡る
もう、3時か、、
と思い手を休める
しかし
「なぁ!夢藤!!先生たちしらねぇーか?」
「先生?、、、そう言えば今日は見てない、、、。」
と今日を振り返る
「はぁ!?そんな訳ねぇーだろ、先生同伴の元でって条件だったんだぞ?先生が居ないなんて、、やっぱりありえない。俺、職員室見てくるわ!!」
とドアを開けようとした時、
《がぁぁぁぁぁぁあぁあ、》
五月蝿い雑音がスピーカーから聞こえてきた
《みぃぃぃーーなさぁーーーん、こんにちわぁぁぁ!!》
意気揚々とした声が聞こえてきて、皆は誰かのいたずらか、と思うと面白がって聞き始める
俺は、何時か先生が止めてくれると思い特に気にしなかった
《ようこそ、Alice gameへ、》
さっきとは違う何処か品のあるこえが聞こえてきた
段々、不安になっていく
《るーるわぁ、ぼくらからぁ、ありすがぁぼくたちぉ、つかまえればぁ、いいのぉー》
今度は、少しゆったりした声だ
俺は、何か危険を感じてたまらない
なにか、、、そう、何かがおかしいような
「おい、、橘なにか可笑しいと思わないか?」
「何か、、、って、」
「何かだよ!!何か、、最悪な事が起きてる、、、いや起こる様な気がして」
橘は、生唾を飲むと
「そんな事、、あるわけ、。」
いや、絶対起こる。
「何か、、、いや、待て」
今日、先生は居たか?

いや、一回も会っていない

この放送から、何分たった?

5分

「おい、、誰か!!今日先生見た奴いるか!?」
誰も、いない、、。
「職員室行って来る!!」

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