《MUMEI》
おばさんの誤解
自分でも顔が真っ赤になるのがわかった。

頭の中がぐるぐるしてとにかく恥ずかしくて

「す、すいません」

慌てて腰を浮かした瞬間、左足にズキッと痛みが走った。

動くのももう辛い。けどおばさんに席を譲らなくちゃいけない。

痛みをこらえて何とか立ち上がろうとした時だった。


誰かの手が肩にかかり
立たなくていいというように押された。


だれ……?


自分の肩におかれた手をたどって見上げた芹奈は

うすく唇を開いた。

「ちょっと、あなた何ッ!?」

「足の具合どう?」

通学鞄を肩にかけた侑は

おばさんを無視して芹奈を見つめる。

おばさんが「え……」と声をもらした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫