《MUMEI》 8「嫌いですし、苦手ですけど…。何の力も持たない部長に押し付けるのも気が引けますし…」 「でも神無月、<言霊>をかなり使ったんだろう? 部長、ボクが行きますよ。ボクは他のみんなに比べてまだ、力が余ってますし」 「えっ依琉は対抗出来ないじゃない! 私の<言霊>ならっ!」 「二人とも!」 榊の大声に、二人は口を噤んだ。 「申し出はありがたいんだけど、僕は一人で行くよ。僕はこれで引退だし、何より部長としての最後の役目だからね」 榊はプレートに視線を移した。 「何より…こんな怪奇現象に強く関われるのも、今回で最後だしね。あ〜あ、留年でもしよっかな?」 「…部長は文句無しに卒業じゃないですか」 神無月が呆れ顔で言った。 前へ |次へ |
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