《MUMEI》
取り合い
取り合い



「青学ー!」

『ファイッオー!』

「越前」

「不二先輩、どうしたんスか?」

ある日の部活

一人で壁打ちをしていた
俺に不二先輩が話しかけてきた

「いや、特に用はないんだけどね」

「?」

「フフ、僕に気にせず続けて」

??
用があるから
話しかけてきたんじゃ…

タンッ…タンッ…タンッ…

………………………………

「不二先輩…」

「なに?越前」

「そうやってじっと見られてると
やりにくいっス…」

不二先輩は近くに座って
何をすることもなくただ
座って越前を見ていた

「そう?フフ…」

…相変わらず何を
考えてるかわからないっス…

「不二〜!!!」

「…英二…どうしたの?」

「どうしたの?…
じゃないよ〜おチビと2人で
何してんのさぁ…」

丁度良いところに菊丸先輩が
来たと思ったら…

「何…って特に何もしてないよ
ただ、話してただけ」

「え〜…でも不二なんか楽しそうに見えたよ?」

目の前でイチャつかないで
下さいよ…

「俺、邪魔みたいなんで
失礼するっす…」

「え!?おチビ?」
「越前!?」

叫ぶ2人を置いて越前はその場を去っていった

「あぁあ…おチビ行っちゃった…」

越前がいなくなった瞬間
不二に抱きついていた

菊丸は不二から体を離した

「英二…邪魔しないでよ」

「テニスでは不二にはかなわないかも知れないけど
おチビは渡さないよ」

「フフ…やっぱり英二も…
僕だって英二に越前は渡さないよ」

「じゃあおチビも
居なくなっちゃったし…
練習もーどろっと!」

……

「越前は絶対に渡さないよ…英二」

英二が居なくなり
一人になった不二は
誰に言うわけでもなく一人呟いた


越←不+菊

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