《MUMEI》

何も望まないでお願いしたあの時必要としていた手のひらは触れさえせずただかざしてくれるだけでいい手 あなたの手がかざしてくれたらそれだけで何ひとつ動かさずに全ては守られた だけどそんなこと伝わるわけもなくあなたが精一杯動かしてくれたすべてを私は傷を拡げると同時に全部受け取った あなたのしてくれる全てはひとつ残さず私に届いてる すべてがやさしいもの ただ傷は恐ろしい深みへ浸み込み続けこの命を確かにすぐにも終わらせるべきまま 終わらない痛みを欠かす事なく麻酔みたいに取り去り続けてる それはあなたの想像の手を借りて あなたの手が傷つけたものはなかったんだよ あなたの手なしで私は一日も超えられない 留め金を外すより前にもうそうなってた あなたが現実じゃなくしてくれる事に私が受け入れられないものなんてなかった それが裏目になったりキズつけた事なんてなかった 私の傷はそれなしには一日も越えられない だけどそれをあなたにかぶせてはいけないからあなたの前にあなた無しのキズのままでそのまま向かおうとしたらキズは開いて突き刺さったまま通りすごす事もかなわなかった あなたがした事じゃない 私がキズを押さえることすらムリなままあなたの前に出てしまったから あなたのしてくれる事を受けてはいけないと思っていたから 私自身はごまかしようもない ずっと一日だってごまかしてるつもりもない あなたにムリをさせてはならないから 伝えられなくても隠してるつもりなどない それに今だけのものなどではないから体の表面を通過させていくものとは違うから蓄積とか揺らがぬ事実だとか歴史や積み重ねなどに押し潰されるものとも違うから あなたの負担にしてはいけない でもあなたの荷物にもならない 仕方ない どうしようもない 最初から最期まで変わらない 無理をしても意味がない ウソをつくなんてイミもない なんでなのかは全てに関係する けれどこの世での厳然たる真実 現実と違って真実は背負う必要なんてないから 触れても触れなくても見ても見なくても忘れても忘れなくてもずっとそこにある あなたは知らないかもしれない でも私は知っている なぜかはわからない けど私はあなたにかかると完全な幸福で満たされてなおとどまらずにそのまま溢れ続ける あなたに幸せを与えられるかはわからない けどあなたは私で知ることができる あなたによって完全な幸福という一点も突き抜けてしまう私という人間がここにいるから たぶん自身によって完全以上に満たされ溢れる人をその身で知ることができる人はいない あなたが満たされるとは限らないのにあなたによって完全に満たされてあなたを少しでも満たしたくて止まらなく溢れるもので完全も通り越した人間をただあなただけは知ることができる2238

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