《MUMEI》

闇の中で、プレートをはめ込む場所など見つけられない。

けれどこの鐘は特殊。

邪気を封じたレンズをはめこんだプレートならば、どこからどう入れようと、鐘にはめ込めるのだ。
 
そしてはめ込んだ後、榊は闇の中に手を伸ばした。

すると榊の手に、細い紐が握られた。

紐を掴んだまま、榊はゆっくりと階段を下りた。

「さて…」

榊は数回深呼吸をすると、緊張した面持ちで、紐を大きく引っ張った。



キーンゴーンカーンゴーン…

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