《MUMEI》

和輝の言葉が胸に刺さった。でも私も言おうとしてたことだよね。

「・・・。」何も言えなかった。

「俺、愛佳のそばにいたい。だから・・・。」

そんな真っ直ぐに言われたら何とも言えない。「うん」としか言いようがない。

「・・・分かったよ。愛佳のこと大事にしなよ。」

「ありがと。理香のこと大好きだったよ。」

・・・「大好きだった」過去形になっていることに少し胸がチクリとした。

これで前に進めるよね?

まだ確信はなかったけどこの時の私は確かに前を向いていた。

―夜―

約束まで後3時間。

何を着ていくべきなのかずっと悩んでた。

・・・「ふぁ―。」

私は知らぬ間に寝てしまっていたのである。

時計を見ると23時40分。

仕方なくその辺にあった服と髪をセットして飛び出した。

全力で走った。

今、一番私が大切にしたい人のもとへ

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