《MUMEI》

家出を決意した私は、中・高を首席で卒業し、親に期待させ、卒業したら家出すると告げ、さっさと出ていく、という計画を立てた。

親への怒りで本気になった私は見事中学を首席で卒業した。
高校に入るとすぐにバイトを始めた。

やり始めは親にバレないかとハラハラしたが、卒業間近になった今でも続いていた。

だが、卒業を三日に控えた今日、バイト先でのトラブルで帰りがいつもより遅くなってしまった。

そのため、着替えると一目散に家へと走ることになった。

家の前にたどり着き、時計を確認する。
刻限の九時まで後二分というところだった。

私は間に合ったと不安と全速力で爆発しそうな心臓を落ち着かせ中に入ろうと玄関を開けた。

目の前には両親の険しい顔があり、心臓が止まりそうになった。


「お前、今までバイトしていたな」


父に言われ、私は言葉を失った。

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