《MUMEI》

「は……はあ……はふ……」

雪崩た体がぶつかった。鎖骨辺りから乱れた呼吸がかかる。
シャッターを切る音が不愉快だった。
本当なら俺は光の頭を撫で回して、キスをして、もう一度セックスした。


「……見てるだけ?」

挑発する光の声だけで嗜虐心が煽られる。
俺はこの言い回しが大嫌いだ、俺意外を欲情させる為に使う手段にされたからだ。

淫乱なエロスを演じるな。

俺の下半身に被さるようにして、舌を陰茎に這わせ、四つん這いになって一度抱かれた体を他の男に犯させる。


安っぽいAVみたいなことをするな。

触れては跳ねる膝に、米岡との情事の激しさを知った。



根元を鈍くなぞり、唾液を含ませてゆく。
落ちてくる唾液で陰のうを巻き込んで揉み上げて、親指で雁首の裏側を擦り付ける。
俺の、教えてきたやり方だ。

唇で、唾液と雄汁とを絡ませながら、舌は先端の割れ目の中までほじくり返す。目隠しをして猿轡をされ、ぐちゅぐちゅ音を立てるので脳まで揺さ振られてゆく。



「くっ……ンム……」

最低な、愉悦の声が漏れ出た。


「ふぐっ……」

俺に続いて米岡の振る腰が収まる。

全ては光のための舞台じゃないか。この俺を支配しやがって……
凌辱されたような退廃が欲情を煽る。



「ん……、やっぱり国雄の好き……」

猫撫で声で屹立とした陰茎に唇を付けて甘えてくるも、それに答えることは出来ない。

もどかしくて、その場で自由になったら光を締め上げてしまいそうだ。



「…………驚いた。君って、壮絶だね。
淑女のように整った肉体からは想像出来ない、淫乱な性が隠されている。」

光のいやらしさ、艶かしさはセックスをしないと到底理解することは困難だ。
それを米岡は言葉で表そうとすればするほど裏目に出た。

「ああ、駄目だ。創作意欲が沸いた……」

米岡はそのままカメラを持って出て行った。

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