《MUMEI》









――早くに…目覚めた。






隣を観ると、隆志が俺の方を向いて眠っている。





――全身の関節が軋む。






軽い筋肉痛





だけど何故か心地よい…。





俺が男に抱かれ慣れていると分かった途端、激しく、求められた。





まるで俺の躰を丸ごと自分の色に染めてしまおうとする勢いだった。






そして全身を、唇で余す所無く辿られ、出した事の無い様な声まで上げさせられてしまった。








――男を抱いたのが初めての割りにかなり上手かった。




こんなにも充実感に満たされたセックスは初めてかもしれない。









俺は温もりを感じたくて、鼻先を隆志の胸に近付ける。






すると、長い腕が俺を包み込み、俺はすっぽりと胸の中に納められてしまった。





「おはよう、裕斗…」






隆志は俺の頭の上に顎を乗せ、俺の背中をあやす様に擦り始めた。

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